3-2 トレンドの種類
主要トレンド 数ヶ月〜数年・大局の流れ
二次トレンド 数週間〜数ヶ月・押し目・戻り
小トレンド 数日〜数週間・ノイズに注意
第1段階 先行期・静かな仕込み
第2段階 追随期・最も乗りやすい
第3段階 利食い期・危険な高値
レンジ相場 方向感なし・トレンドなし
主要トレンド 数ヶ月〜数年・大局の流れ
二次トレンド 数週間〜数ヶ月・押し目・戻り
第1段階 先行期・静かな仕込み
第2段階 追随期・最も乗りやすい
第3段階 利食い期・危険な高値
レンジ相場 方向感なし・トレンドなし
PHASE 03-02 / 03-06

トレンドの3種類と3段階

「今どこにいるか」を把握することが、すべての分析の起点になる

01 トレンドの3種類とは
ダウ理論の原則2は「トレンドには3種類ある」と定義する。
この3種類は「どれが正しいか」ではなく、同じ相場を異なる時間軸で見たもの
3種類すべてが同時に存在しており、時間足を変えるだけで見え方が変わる。
主要トレンド
Primary Trend
相場全体の大きな流れ。この方向が「大局」であり、すべての分析の起点になる。
継続期間 数ヶ月 〜 数年
確認時間足 週足・月足
FXでの役割 方向性の決定
二次トレンド
Secondary Trend
主要トレンドに対する一時的な逆行(押し目・戻り・調整)。主要の方向に戻る前の揺り戻し。
継続期間 数週間 〜 数ヶ月
確認時間足 日足・4時間足
FXでの役割 押し目・戻りの把握
小トレンド
Minor Trend
日々の細かな値動き。ランダム性が高く、ダウはこれを「操作されやすい」と警告していた。
継続期間 数日 〜 数週間
確認時間足 1時間足・15分足
FXでの役割 エントリータイミング
⚠️ 小トレンドへの過剰依存に注意
ダウ自身が「小トレンドは操作されやすく、信頼性が低い」と述べている。
1時間足・15分足だけを見てトレードすることは、小トレンドに振り回されるリスクがある。
必ず主要・二次トレンドで大局を把握してから、小トレンドでタイミングを取ること。
02 各トレンドの詳細
主要トレンド — 週足・月足で確認する「大局の流れ」
安値① 安値② 安値③ 安値④ 主要上昇トレンドの定義: 高値が切り上がり続けている 安値も切り上がり続けている 調整(赤足)を挟みながらも全体として上昇している。 週足・月足でこの構造が見えれば主要上昇トレンド。
調整の赤いローソク足があっても、高値・安値がともに切り上がっていれば主要上昇トレンドは継続中
「下がった!」と焦って売るのは、主要トレンドを無視した小トレンドへの過剰反応になりやすい。
二次トレンド(押し目)— 主要上昇トレンド中の「一時的な逆行」
高値① 二次トレンド(押し目) 安値①(押し目底) 高値②(切り上がり) 二次トレンド(押し目)の特徴: 主要トレンドの33〜66%程度を戻す (フィボナッチと近い考え方) ★ここが「押し目買い」のチャンス 主要トレンドに乗ったエントリーができる
二次トレンドは主要トレンドを否定するものではない。主要上昇の中の「一時的な下落」が二次トレンド。
この押し目こそが「主要トレンドに乗る最良のエントリーポイント」になる。
03 3種類が同時に存在する — 時間足を変えると見え方が変わる
2-2の時間足の概念と完全につながる重要な概念。同じ相場を見ているのに時間足によって「上昇」にも「下降」にも見えるのは、トレンドの3種類が同時に存在しているから。
同じ相場 — 時間足によって見える「トレンドの種類」が変わる
週足 — 主要トレンド → 上昇トレンド 日足 — 二次トレンド → 下降(押し目) 1時間足 — 小トレンド → 細かな上下
週足:主要上昇トレンドに見える。日足:二次下降トレンド(押し目)に見える。1時間足:方向感がなくランダムに見える。
→ これらはすべて同じ相場・同じ時刻を見ている。トレンドの3種類が同時に存在している。
04 マルチタイムフレーム(MTF)との対応関係
2-2で学んだMTF分析は、ダウ理論のトレンド3種類を実際の取引に落とし込む方法そのもの。
ダウ理論
時間足
用途
判断すること
主要トレンド
月足・週足
大局の方向を決める
買いか売りか(大前提)
二次トレンド
日足・4時間足
押し目・戻りを把握
エントリーゾーンの特定
小トレンド
1時間足・15分足
エントリータイミング
具体的な注文のタイミング
🔑 「主要の方向に、二次の押し目で、小で入る」が順張りの基本形
週足・月足が上昇 → 日足・4時間足で押し目(二次下降)を待つ → 1時間足でローソク足パターンが出たら買う
これがダウ理論に基づいたMTF分析の最もシンプルな実践形。
05 上昇トレンドの3段階 — 詳細
3-1で概要を学んだ「主要トレンドの3段階」を実践で使えるレベルまで深掘りする。
「今どの段階にいるか」を判断することが、エントリーとリスク管理の精度を上げる
PHASE 01
先行期
Accumulation Phase
期間:数ヶ月〜1年以上
出来高:少ない
参加者:機関投資家・インサイダー的な先見性ある投資家
長期的な底値と判断し、一般に気づかれないよう静かに買い集める(アキュムレーション)段階。
📊出来高が少なく、価格変動が小さい
📰ニュースは悲観的・「まだ下がる」という見方が支配的
😔一般投資家は「もう損切りした」か「見ていない」状態
📈ローソク足は方向感のない横ばい・レンジに見える
FXでの判断:先行期はリアルタイムでは識別困難。
後から「あそこが先行期だった」とわかることが多い。
無理に第1段階でエントリーしようとしない。
PHASE 02
追随期
Participation Phase
期間:数ヶ月〜数年(最長段階)
出来高:増加中
参加者:トレンドフォロワー・テクニカル投資家・一般投資家
上昇が明確になり、多くの参加者が「これは本物だ」と認識してトレンドに乗る段階。
📈出来高が増加しながら価格が上昇する
📰経済指標が改善し、ニュースが好転し始める
💡テクニカル的なブレイクアウトが発生しやすい
🎯高値・安値が明確に切り上がり続ける(ダウ理論の定義)
★ FXで最も狙うべき段階
押し目買いが最も機能する。リスクリワード比が高いエントリーが可能。
「まだ上がり続けるのか」という疑問が出始めたときが追随期の中盤。
PHASE 03
利食い期
Distribution Phase
期間:数週間〜数ヶ月
出来高:急増→減少
参加者:遅れて参入した大衆・情報弱者
メディアが「強気!」と報じ大衆が殺到する一方、先行期・追随期の参加者は静かに利食いして売り抜ける(ディストリビューション)
📰ニュース・SNSが「絶対に上がる」で溢れている
📊出来高が異常に急増(クライマックス)後に減少
📉高値更新が止まり、上昇が鈍化してくる
⚠️急落が散発的に発生しやすい
⚠️ 最も危険な段階
「まだ上がる」という楽観が最高潮のとき = 実は売り抜けられている状態。
追随期の利益を守る(利確・トレイリングストップ)段階。新規ロングは危険。
06 下降トレンドの3段階
上昇の3段階と完全に対称的な構造。上昇の「先行期・追随期・利食い期」が、下降では「分散期・パニック期・整理期」になる。
PHASE 01
分散期(ディストリビューション)
賢い投資家が高値で静かに売り抜けていく。まだニュースは好調で、一般投資家は「調整に過ぎない」と楽観的。出来高は増加しているが価格の上昇が止まっている。
≒ 上昇トレンドの第3段階(利食い期)と同じタイミング
PHASE 02
パニック期(参加期)
下落が明確になり、遅れた売りが殺到。最も急激な値下がりが起きる段階。出来高が急増。「損切りできない」人が含み損を抱え続け、さらに価格を押し下げる。
★ 下降トレンドで最も大きな値幅が出る段階
PHASE 03
整理期(利食い・底値確認)
下落が鈍化し、ニュースは最悲観的。一般投資家が「まだ下がる」と諦め、やっと売っていく段階。一方で賢い投資家は再び底値での仕込みを始める。
≒ 次の上昇トレンドの第1段階(先行期)の始まり
07 今どの段階にいるか判断する方法
3段階の判断は後から見ると明確だが、リアルタイムでの判断は難しい
以下のチェックリストで「どの段階にいる可能性が高いか」を推定する。
P1
先行期の特徴
長期下落後の安値圏 / ニュースが悲観的 / 出来高が少ない / 価格変動が小さい / レンジっぽく見える / 一般には「まだ危ない」と思われている
P2
追随期の特徴 ← 最も狙うべき
明確な高値・安値の切り上がりが続いている / 出来高を伴う上昇 / 押し目が浅い(主要上昇幅の1/3〜1/2以内) / テクニカル的なブレイクアウトが発生 / ニュースが改善方向
P3
利食い期の警戒サイン
SNS・メディアが強気一色 / 誰もが「上がる」と言っている / 出来高異常増加(クライマックス) / 高値更新が止まりヒゲが長くなる / 急落が散発的に発生 / 押し目が深くなる
⚠️ 「逆張り」の誘惑に注意
第3段階(利食い期)の特徴が出ても、すぐ売り転換するのは危険。
原則6「転換シグナルが出るまでトレンドは継続する」を忘れずに。
利食い期の特徴 = 「新規ロングを控える」時期であって、「すぐ売る」時期ではない。
08 レンジ相場とは — トレンドがない状態
トレンドには「上昇・下降・レンジ(横ばい)」の3方向がある。
ダウ理論が扱うのは主に上昇・下降トレンドだが、FX相場の約70〜80%はレンジ(方向感なし)と言われる。
📦レンジ相場の定義
高値も安値も切り上がらず・切り下がらない状態。価格が一定の範囲を上下に行き来する。

ダウ理論的には「主要トレンドの先行期(アキュムレーション)や整理期(ディストリビューション)」に相当することが多い。

つまりレンジは「次の大きな動きの前の準備期間」である可能性がある。
🎯レンジでの戦略
レンジ相場でのトレンドフォロー戦略は機能しにくい。

レンジ内での戦略:上限で売り・下限で買いのレンジトレード(上級者向け)

初心者向けの対応:レンジ中はトレードを控え、ブレイクアウトを待つ。どちらに抜けるかを確認してからトレンドフォローで入る。
レンジ → ブレイクアウト — 次のトレンドの始まりを待つ
RANGE 上へブレイク! リテスト
レンジ相場がブレイクアウトした後、レジスタンスラインがサポートに転換(サポレジ転換)してリテストが発生することが多い。
このリテストを確認してからエントリーすることで、ダマシブレイクを回避しやすい。
09 実践での使い方まとめ
01
まず週足・月足で主要トレンドを確認する
上昇・下降・レンジのどれか。この判断がすべての分析の起点になる。主要トレンドの方向と逆のトレードは原則しない。
02
日足・4時間足で二次トレンドの位置を確認する
主要上昇トレンド中なら、二次下降(押し目)がどこまで進んでいるかを確認。押し目のサポートゾーンが買いの候補になる。
03
今が第何段階かを推定する
出来高・ニュースの質・高値安値の動き・押し目の深さから「追随期か・利食い期か」を推定。利食い期の特徴が出たら新規ロングは控える。
04
レンジ中は無理にトレードしない
主要・二次・小トレンドすべてが方向感を失っているときはトレードを控える。ブレイクアウトを待ち、方向が確定してから乗る。
05
小トレンドだけを見ない
1時間足・15分足の「局所的な上昇・下降」に惑わされない。必ず主要・二次トレンドとの方向一致を確認してから小トレンドのエントリーを使う。
💡 3-2 まとめ
① 主要・二次・小の3トレンドは同時に存在し、時間足を変えると見え方が変わる
② 主要トレンドの方向が最優先。二次で押し目を待ち、小でタイミングを取る
③ 上昇の3段階:先行期(仕込み)→ 追随期(最も狙うべき) → 利食い期(危険)
④ 利食い期の特徴:SNSが強気一色 / 出来高急増 / 高値更新が止まる
⑤ レンジ相場では無理にトレードせず、ブレイクアウトを待つ

次の 3-3 高値・安値の切り上げ・切り下げ でダウ理論の核心に入る。
トレンドの継続・転換を判断する具体的な方法を学ぶ。
💡

3-2 完了。次は 3-3 高値・安値の切り上げ・切り下げ へ。
ダウ理論の最核心 — 「トレンドとは何か」を高値・安値の動きで定義する。
足りない箇所・深掘りしたい箇所は随時伝えてください。