3-1 ダウ理論
ダウ理論 相場分析の起源・1900年代
原則1 平均はすべてを織り込む
原則2 トレンドには3種類ある
原則3 主要トレンドには3段階ある
原則4 平均は相互に確認される
原則5 トレンドは出来高でも確認される
原則6 転換シグナルが出るまで継続する
ダウ理論 相場分析の起源・1900年代
原則1 平均はすべてを織り込む
原則2 トレンドには3種類ある
原則3 主要トレンドには3段階ある
原則4 平均は相互に確認される
原則5 トレンドは出来高でも確認される
原則6 転換シグナルが出るまで継続する
PHASE 03-01 / 03-06

ダウ理論とは・6原則

相場分析の起源 — 100年以上現役の理論がなぜ今も機能するのか

01 ダウ理論とは何か
ダウ理論とは、「相場(市場)がどのように動くか」を説明する最も基本的なフレームワーク。
1900年代初頭にチャールズ・ダウが提唱し、現代のテクニカル分析の起源となった理論。
FX・株・先物・仮想通貨を問わず、あらゆる金融市場に適用できる普遍的な原則で構成されている。
🔑 ダウ理論を学ぶ意味
移動平均線・RSI・MACDなどのインジケーターはすべて「価格の後追い」。
一方ダウ理論は「なぜ相場がそう動くのか」という構造そのものを説明する。
インジケーターに頼る前に、まずダウ理論で「相場の本質的な動き方」を理解することが重要。
02 生まれた背景
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チャールズ・ダウとは
米国のジャーナリスト・経済評論家(1851〜1902)。
ウォール・ストリート・ジャーナルの創設者の一人でもある。

ダウ・ジョーンズ工業株平均(ダウ平均株価)を考案した人物でもあり、株式市場の動きを体系的に分析しようとした先駆者。
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理論の成り立ち
ダウ自身は「ダウ理論」という名称を使っていない。
WSJに掲載した一連の評論記事をまとめ、後継者のウィリアム・ハミルトンとロバート・レアが体系化したもの。

株式市場を分析する目的で作られたが、その原則は価格が動く市場すべてに普遍的に適用できた。
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100年以上機能し続ける理由
ダウ理論は「人間の心理」に基づいている。
恐怖・欲望・群集心理は100年前も今も変わらない。

株式・FX・仮想通貨・コモディティを問わず、「人間が売買する市場」である限り機能するのがダウ理論の本質的な強さ。
🔗
現代テクニカル分析の起源
チャールズ・ダウの考え方は、後に登場する多くのテクニカル分析手法の基礎となった。

エリオット波動理論・ワイコフ理論・プライスアクション分析など、現代の主要な分析手法はすべてダウ理論を土台としている。
03 なぜ今も有効なのか
「100年前の理論がなぜFXに使えるのか?」という疑問は当然。
答えは単純:ダウ理論は「価格の動き方の法則」ではなく「人間心理の法則」だから。
ダウ理論が機能するメカニズム
人間の本能 恐怖・欲望・群集心理 集合行動 多くの人が同じ判断をする 価格パターン トレンド・反転が繰り返す ダウ理論 そのパターンを体系化 人間の本能は変わらない → ダウ理論は100年以上機能し続ける
💡 AIやアルゴリズム取引が増えた今も機能するのか
機能する。なぜならアルゴリズムのパラメーターも人間が設定しており、
多くのアルゴリズムはダウ理論を含むテクニカル分析のルールに基づいて設計されているため、
「アルゴリズムがダウ理論に従って動く」ことで自己実現的に機能し続ける面もある。
04 6原則の全体像
ダウ理論は6つの原則で構成される。すべてを完璧に覚える必要はないが、
原則2・3・6はFXトレードで毎日使う核心部分。原則1・5は理論の土台。原則4は株式市場向けで参考程度。
6原則の重要度マップ(FXトレーダー視点)
原則 1 市場はすべて を織り込む ★★★ 土台 原則 2 トレンドの 3種類 ★★★ 核心 原則 3 主要トレンドの 3段階 ★★★ 核心 原則 4 平均の 相互確認 ★☆☆ 参考 原則 5 出来高による 確認 ★★☆ 補強 原則 6 転換シグナルまで 継続する ★★★ 核心
05 原則 1 — 市場はすべてを織り込む
PRINCIPLE
01
市場(平均)はすべての事象を織り込む
The Market Discounts Everything
経済指標・政治情勢・戦争・企業業績・自然災害・投資家心理…
相場に影響を与えるすべての情報は、すでに現在の価格に反映されている。

「いいニュースが出たのに価格が上がらない(むしろ下がる)」という現象は、
そのニュースがすでに価格に織り込まれていたことを示している。
FXでの意味:チャート(価格)を見れば、あらゆる情報が反映された「市場の総意」がわかる。
「ファンダメンタルズを完璧に調べても、それはすでに価格に織り込まれているかもしれない」という謙虚さが重要。
だからこそ、価格そのものを分析するテクニカル分析に意味がある。
★★★ テクニカル分析の前提
06 原則 2 — トレンドには3種類ある
PRINCIPLE
02
トレンドには3種類ある(規模による分類)
There Are Three Trends
相場の動きには規模によって3つのトレンドが同時に存在している。
★★★ 核心 — MTF分析の土台
トレンドの3種類 — 主要・二次・小トレンドが同時に存在する
主要トレンド 数ヶ月〜数年 二次トレンド(調整) 数週間〜数ヶ月 主要トレンド(週足・月足) 二次トレンド(日足・4H)
主要トレンド:数ヶ月〜数年続く大きな流れ。週足・月足で確認。
二次トレンド:主要トレンドに対する一時的な調整・押し目・戻り。日足・4時間足で確認。
小トレンド:数日〜数週間の細かい動き。1時間足・15分足で確認。
→ これが2-2で学んだマルチタイムフレーム(MTF)分析の理論的根拠
💡 MTF分析とダウ理論のトレンド3種類は対応している
主要トレンド = 週足・月足で見るトレンド
二次トレンド = 日足・4時間足で見るトレンド(押し目・戻り)
小トレンド = 1時間足・15分足で見る細かい動き

上位足(主要)の方向に 下位足(二次・小)の押し目・戻りで エントリーする = MTF分析の基本形そのもの。
07 原則 3 — 主要トレンドには3段階ある
PRINCIPLE
03
主要上昇トレンドには3つの段階がある
Major Trends Have Three Phases
上昇・下降どちらの主要トレンドも、3つの段階を経て完成する。
★★★ 核心 — 今どの段階にいるかを把握する
主要上昇トレンドの3段階(下降トレンドは逆)
第1段階:先行期 第2段階:追随期 第3段階:利食い期 先見の明ある 投資家が仕込む 一般投資家が 追随して参入 早期参入者が 利食い・崩れ始め
第1段階(先行期):一部の先見性ある投資家(機関・プロ)が底値で静かに買い集める。出来高は少ない。
第2段階(追随期):上昇が明確になり一般投資家が参入。最も大きな値幅と出来高が出る。順張り戦略が最も機能する段階。
第3段階(利食い期):メディアが「強気相場」と報道し大衆が参入。一方で先行期の参加者は利食い。上昇が鈍化し崩れ始める。
🔑 今どの段階にいるかを判断する意味
第2段階(追随期)に順張りでエントリーするのが最もリスクリワードが高い。
第3段階(利食い期)で「まだ上がる」と信じてロングするのが最も危険。
ニュースや SNS が「強気!」で溢れているときは第3段階の可能性を疑う。
08 原則 4 — 平均は相互に確認されなければならない
PRINCIPLE
04
平均は相互に確認されなければならない
Averages Must Confirm Each Other
ダウ理論が作られた当時、米国株式市場には「工業株平均(現ダウ平均)」と「鉄道株平均(現トランスポーテーション平均)」の2つがあった。

ダウは「本物のトレンドはこの2つの平均が同じ方向を向いているときだけ有効」と主張した。
例:工業株が上昇しているのに運輸株が下がっているなら、経済の実態は伴っていないとみなす。
FXへの応用:この原則は株式市場向けで、FXに直接当てはめにくい。
ただし応用として「USD/JPYが上昇しているのに、EUR/JPYが下降しているなら、JPY安ではなくUSD高が原因」というような通貨間の相関確認に活用できる。
FX初心者の段階では、参考程度の理解で十分。
★☆☆ FXでは参考程度
09 原則 5 — トレンドは出来高でも確認される
PRINCIPLE
05
トレンドは出来高でも確認される
Volume Confirms the Trend
本物のトレンドは出来高を伴う。

上昇トレンド:上昇する足で出来高が増加し、下落する足で出来高が減少する
下降トレンド:下落する足で出来高が増加し、上昇する足で出来高が減少する

価格が動いても出来高が伴わない場合、そのトレンドは信頼性が低い。
FXへの応用:2-5で学んだ通り、FXの出来高はブローカー経由の不完全なデータ。
ただし「出来高が価格の動きを補強する」という考え方自体は有効で、ブレイク時や転換点の判断に活用できる。
★★☆ FXでは補助として活用
10 原則 6 — トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する
PRINCIPLE
06
トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続すると仮定する
Trends Persist Until Definitive Reversal Signals
一度確認されたトレンドは、明確な転換シグナルが出るまで継続していると仮定して行動する

「そろそろ反転しそう」「高値圏だから売り」という感覚的な逆張りは危険。
ダウ理論的に「転換が確認された」まではトレンドに乗り続けることが原則。
「明確な転換シグナル」とは何か:
→ 高値・安値の更新失敗(3-3・3-4で詳しく学ぶ核心部分)
上昇トレンド:安値を更新した(安値の切り下がりが起きた)
下降トレンド:高値を更新した(高値の切り上がりが起きた)

この原則がFXでの順張り戦略の根拠。「トレンドが終わるまでは続ける」という考え方。
★★★ 核心 — 順張り戦略の理論的根拠
🔑 原則6と逆張りの関係
ダウ理論は「転換シグナルが出るまでトレンドに乗れ」と言っている。
逆張り(高値で売る・安値で買う)はトレンドが転換した後に行うもの。
転換前の逆張りは「トレンドの力に逆らうこと」であり、勝率・損益比率ともに不利になりやすい。
11 PHASE 2との接続 — 学んできた内容がつながる
PHASE 2で学んだ5つのトピックは、すべてダウ理論の6原則と対応している。
「なぜそれが機能するのか」という理由がダウ理論で説明できる。
2-1 ローソク足
原則2・6の確認ツール
高値・安値の更新をローソク足で確認する。ピンバー・包み足はトレンド継続か転換かの判断材料。
2-2 時間足
原則2のトレンド3種類
主要・二次・小トレンドを時間足で分類する。MTF分析はダウ理論のトレンド階層の実践。
2-3 サポレジ
原則1・6の具体的な水準
「市場が織り込んだ重要価格水準」がサポレジ。転換シグナルが出やすい場所として機能。
2-4 トレンドライン
原則6の転換シグナルの視覚化
TLブレイクはダウ理論の「高値・安値の更新失敗」の視覚化。TLは原則6を確認する道具。
2-5 出来高
原則5のFX版
「トレンドは出来高で確認される」の現代FX版。不完全だが補助材料として活用。
次の3-2〜3-6
原則2・3・6を実践レベルで深掘り
特に高値・安値の切り上げ・切り下げ(3-3)とトレンド転換の見極め(3-4)が最重要。
💡 3-1 まとめ
① ダウ理論は「人間心理の法則」。だから100年経っても機能し続ける
② 6原則のうち FX で最重要なのは 原則2(トレンドの3種類)原則3(3段階)原則6(転換まで継続)
③ 原則2のトレンド3種類 = 2-2で学んだMTF分析の理論的根拠
④ 原則6の「転換シグナル」の正体 = 3-3・3-4で詳しく学ぶ

次の 3-2 トレンドの3種類と3段階 で、今日学んだ原則2・3をより深く掘り下げる。
💡

3-1 完了。次は 3-2 トレンドの3種類と3段階 へ。
原則2・3を実際のチャートで使えるレベルまで深掘りする。
足りない箇所・深掘りしたい箇所は随時伝えてください。